詩織の五能線めぐり 藤崎/鳴沢駅の旅

偽田中 秀(SHU)


鳴沢 唯(以下、唯)「ねぇねぇ、詩織ちゃん」
藤崎 詩織(以下、詩織)「何?」
唯 「ほら、青森県のここ。藤崎って駅がある」
詩織「ほんとだぁ〜、どんな駅なんだろうね」

詩織「あ、でもこっち見て。鳴沢だって」
唯 「へぇ〜、唯の駅もあるんだぁ」
詩織「ねぇねぇ、こんなに近いんだしさぁ、今度行ってみない?」
唯 「面白そうねぇ。いこいこ!」


詩織「ふぅ〜、終点だわ。やっと盛岡ね」
唯 「ここで『はちまんたい』に乗り換えて...あと何時間だっけ?」
詩織「八幡平に乗り換えて2時間半。更に乗り換えて1時間で....川部よ。東京からなら合計6時間ね」
唯 「え゛......それだけ時間かけてもまだ川部なの?」
詩織「うん。バス使えば乗り換えはなかったんだけど.....」
唯 「夜行バスはイヤ。なんか眠れなくって.....」
詩織「それじゃぁ我慢我慢。さ、乗り換えよう!」
唯 「ぷ〜っ!あぁ〜あ、まだ遠いのね」


川部駅
詩織「ふぅ〜、遠かったわねぇ」
唯 「今いるのが、『川部』ってとこだからぁ......藤崎はここで乗り換えて、次の駅ね」
詩織「た〜いへん。次の電車までまだ1時間もある!」
唯 「え〜!あ、本当だ......」
詩織「ねぇ、隣の駅、よねぇ」
唯 「うん」
詩織「歩いていかない? 2kmくらいなら、30分も歩けば着いちゃうわ」
唯 「待ってるのももったいないもんね。せっかく知らないところに来たんだし。歩こう!」


唯 「この辺って、何か家ばっかり。青森だからもっとリンゴ園とか、田圃とか想像してたんだけど」
詩織「弘前から近いせいじゃないかしら?もう少し遠くに行けば、きっとリンゴ園もあるわよ」
唯 「あ、線路だよ。詩織ちゃん。電車が来た!」
詩織「でも、架線がないわね。この辺は電車じゃなくって、ディーゼルカーなんだわ」
唯 「すぐそこに駅が見えるよ。行ってみよう、詩織ちゃん」
詩織「うん、行きましょう!」

藤崎駅の写真
藤崎駅
開業:大正7年9月25日
住所:青森県南津軽郡藤崎町藤崎

藤崎駅駅名板
唯 「ここが、詩織ちゃんの駅ね」
詩織「なんか、恥ずかしいわ」
唯 「駅には......ジュースの販売機と、電話、それにポスト。普通の駅ね」
詩織「駅前には.......お店と民家が並んでるわね」
唯 「あ、みてみて、詩織ちゃん。藤崎あんパンだって。おばさーん、これ二つ!」
詩織「あ、.......おいし〜い!」
唯 「藤崎って、町の名前なのね。そこからとったのかしら?」

唯 「はぁ〜.....そろそろ寒くなってきたわね。」
詩織「それじゃぁ、中に入りましょう」
詩織「あ、ストーブがある。暖か〜い」
唯 「中はもう人でいっぱいね。地元の人たちも結構利用してるみたいね」

藤崎→鳴沢の切符
詩織「次は鳴沢駅よね。じゃぁ、切符買っちゃおう」
唯 「へぇ〜、切符の発売は17:00までだって。その後は駅員さん、居なくなっちゃうんだ」
詩織「すいませ〜ん、鳴沢駅まで2枚くださ〜い」
唯 「あ、藤崎駅と、鳴沢駅。両方の名前が入ってる!」
詩織「へぇ〜、ホームに入る時じゃなくて、売ってもらうときにもうハサミが入ってるんだ。あ、もう時間ね。ホームにあがりましょう」
唯 「詩織ちゃん、まだホームへの出口があいてないよ」
詩織「でも、もう一分前だもん。自分であけて出なさいってことよ。きっと」
唯 「あ、待ってぇ」

唯 「あ、来た来た。でも二両しかつないでないよ」
詩織「そうね。席は.....ほとんど人が座ってるわ」
唯 「仕方ないよ。立っていこう」


鳴沢駅の写真
鳴沢駅
開業:大正14年5月15日
住所:青森県西津軽郡鰺ヶ沢町北浮田

気動車
唯 「やっと着いた。唯の駅、鳴沢!」
詩織「今度は、家も少ないわね。駅の出口と反対側は林もあるわ」
唯 「なんか藤崎に比べて寂しい〜。待合室もこっちの方が狭いわ。」
詩織「でも、......旅情とか、風情って言うのかしら?そういった雰囲気がこっちの方があるわ」
唯 「さ、早く駅を出よう」

詩織「駅前には.....何もないわ」
唯 「あ、でもほら、あそこ。鳴沢郵便局がある。ポストも電話もあるわ」
詩織「今日は土曜日だからお休みね。残念だわ」
唯 「せっかく貯金しようと思ってたのになぁ」
詩織「この先は.....特にお店はないみたいね」

唯 「あ、郵便局と別の方にお店がある。何のお店だろう?」
詩織「そうね。行ってみましょう」

唯 「いろいろなモノが売ってるね。唯、おなかすいてきたなぁ......」
詩織「すいません、このパンいくらですか?」
唯 「あ、詩織ちゃん、ずるい!唯も買うのぉ〜」
詩織「今、パンを買ったけど、他にもお菓子.....野菜に.....いろいろなモノが売ってるわ。雑貨屋さんね」
唯 「ざっかや.......さん?」
詩織「スーパーと普通のお店の間くらいの感じかしら?何でも置いてあるけど、お店の雰囲気は、スーパーとは違う。そんなお店ね」
唯 「確かに、普通のお店と違うね」
詩織「時間は......帰りの列車までは20分くらいね」
唯 「あ、雨降ってきた。傘、傘.....あ、無い」
詩織「あ、.....私も傘忘れたみたい。降りが強くならないうちに駅に戻りましょう」


唯 「なんかあっという間に終わっちゃったね。でも楽しかった」
詩織「ねぇ、他にもきっとあるんじゃないかしら。私達の友達の名前とか」
唯 「お兄ちゃんの名前と同じ駅とかもあるのかなぁ?」(今度はお兄ちゃんも一緒に)
詩織 (今度は、あの人と.......)
唯 「あ、列車が来たよ。......詩織ちゃん?何考えてるの?」
詩織「え?...うぅん、何でもないの。さぁ、乗りましょう」
唯 「ばいばい、唯の駅。またいつか来るからね」

鳴沢駅駅名板

− END −


何はともあれ、発行おめでとございます。
隠居の身の私まで呼んでいただいて。ありがたき幸せ......

しかし.....書いちまった.......書いちまったよ。
こういうノリのげんこー、ここに書いていいの?ねぇ、本当にいいの?

愛と煩悩と勢いの名の下に一気にやっちまったけど......

既に隠居の斜怪塵 偽田中 秀(SHU)


きらめきStation巡り Vol.2
QDATトップ過去の作品を訪ねて唯と詩織の五能線めぐりカタログ「鉄っぽい本」
Published on 1996/12/29 / Last updated on 1998/10/31
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